PMFは1->10でも(大体)必要
私は今いわゆる1→10フェーズのプロダクトのマネジメントをしている。よく言われる0→1と1→10で求められる能力やスキルの違いとして以下が挙げられることが多いと思う。
これについて、自分の実感としては大分異なる点が大きいため、それをまとめる。
PMFとは
PMFをするということは、これまで解決できていなかった課題を従来の方法とは異なる形で解決するプロダクトを創出することだと理解している。PMFの失敗パターンとしては、そんな課題は存在しなかった、課題はあるがお金を払ったり労力をかけたりするほどの価値ではなかった、技術的にできないことだった、技術的に可能だがお金と時間がかかりすぎる、などが挙げられる。
1回のPMFで成長できる余地には限界がある
冒頭にあるような0->1と1->10の違いに関する記事にはこの点が抜けていると思う。それこそiPhoneだって初期はWebベースだったのが急にAppStoreなんて開設して一気にネイティブへ舵を切ったり、スキュモーフィズムを捨ててフラットデザインへ移行したり、なかなかにドラスティックな変更を繰り返した結果、今の地位がある。
これはもはや第二、第三のPMFを実施した(そして成功した)と見做すべきレベルの仕事だと思う。そして別にこれはiPhoneに限らず、ある程度成功しているプロダクトであれば皆こうした経験を経ている。
PMFは0->1移行も繰り返さなければならないし、それが無ければいずれ競合に追いつかれてしまうのではなかろうか。
とはいえ0->1のPMFは失敗すると会社自体が死ぬが、1->10のPMFについてはある程度の失敗なら持ちこたえられるという側面はあると思う。その代わり、今の組織だったりプロダクトについて場合によってはドラスティックな変更を推し進めなければならないという、ある種の身軽さが失われている。